【解説】短時間勤務者のサポート方法とは
復職後、育児と両立しながら働く上で、子どもが急に熱を出したために突然仕事を休むことがあるなど、復職者へのサポートが必要となるケースは少なくありません。特に短時間勤務の場合、育休とは異なり、短縮となる勤務時間分に対して代替要員が確保されるようなことは少ないため、サポートを担うのは職場の周囲の社員であることが多いのではないでしょうか。また、短時間勤務者の目標は勤務時間に比例して調整される一方、組織全体の目標は変わらないことがほとんどであり、サポートを行う社員には一定の負担が生じることとなります。
職場全体で短時間勤務者をしっかりサポートできるよう、サポートの体制を明確にすることが大切です。まずは短時間勤務者の仕事を整理し、誰が何をサポートするのかを明確にしましょう。仕事の内容により、短時間勤務者の仕事を切り分けたり時間帯や曜日で振り分け、複数の社員が少しずつ分担しながらサポートするパターンもあれば、特定の社員にサポート役を担ってもらうパターンもあります。特にサポートの役割を期待する社員に対しては、負担軽減のため、その社員が担当している仕事の一部を切り出し、後輩社員に割り当てる方法もあります。特定の社員に負担が集中するのを避けることができると同時に、後輩社員の育成を図ることにつながります。また短時間勤務者の急な休みに備え、チーム内で業務の進捗状況や資料・データなどを日頃から共有したり、緊急時にチームとしての対応を中心となって仕切るメンバーを予め決めておくことが重要です。
そして、サポートしたことを評価することも大切です。管理職は職場全体の状況を確認し、短時間勤務者本人だけではなく、サポートを行う社員にも目配りし、適宜フォローすることが重要です。短時間勤務者が周囲の社員に負担をかけているのではないかと不安を感じることなく、また周囲の社員も短時間勤務者を気持ちよくサポートできるよう、環境整備・風土づくりを行いましょう。
短時間勤務制度を運用する上での課題:複数回答(n=2,328)
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成28年度仕事と家庭の両立に関する実態調査のための調査研究事業(企業調査)」(厚生労働省委託事業)平成29年2月