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第5回 中小企業の問題解決に効果的な女性活躍

行動計画 第5回本文1

第5回 中小企業の問題解決に効果的な女性活躍


「女性活躍の推進までなかなか手が回らない」あるいは「女性活躍というけれど取り組むのは大変そう」と感じている中小企業もあることでしょう。
しかし、積極的に女性活躍を推進することで、むしろ問題解決につなげているケースも少なくありません。女性活躍の推進に取り組むことで、効果を上げている事例をご紹介します。







行動計画 第5回本文2

結婚・出産を機に女性が退職 → 勤続年数の長期化&男女の育休取得実績

A社の課題

従業員数約80名のソフトウェア開発業のA社は、新卒採用も積極的に手掛け、毎年3~4名程度の新規学卒者を採用。教育にも力を入れていましたが、技術・営業職を中心に時間外労働が多く、結婚・出産を機に女性社員が退職してしまうことが課題でした。
採用・育成にかかるコストを考えると、スキルを身に着けた女性社員を定着させ、活躍し続けてもらうことが重要と判断。そこで、経営トップから女性活躍推進に取り組むことについてメッセージを発し、女性活躍推進委員会を発足しました。

女性活躍推進の取り組みから解決した課題

一般事業主行動計画では2つの目標を設定しました。ひとつは、時間外労働を現行の4分の1(10時間以内)まで削減すること。そのために、業務の見直しを徹底的に行い、外注できることは外注し、無駄な作業を削ぎ落しました。
もうひとつは女性の育休取得率を100%(これまで取得実績0)に掲げ、産休・育休に関する情報提供し、復帰支援計画を作成してサポートしていくことをアピール。こうした取り組みが功を奏して、初めての育休取得者、さらに職場復帰して活躍する女性社員が出てきました。今では、男性社員の育休者も出てきて、男女が育休を取得しやすい雰囲気に変化しました。リーダー世代の女性社員が就業を継続することで、勤続年数の長期化につなげています。









女性比率は高いが給与を上げられない → 柔軟な働き方に見直し生産性向上

B協会の課題

職員数10名足らずのNPO法人のB協会。女性比率は高いものの、NPO法人という性質上、仕事において成果を上げたとしても、年間予算が決められているため、給与や賞与アップという金銭報酬で報いることが難しい状況でした。また、上位ポストも限られており、どのようにモチベーションを保ち生産性を高めて女性活躍を推進していくか、という課題がありました。

女性活躍推進の取り組みから解決した課題

当初の目標として、仕事と育児の両立支援策を講じました。さらに、女性活躍を推進するために、B協会の課題でもある金銭的な報酬以外でモチベーションを高め、生産性を上げるにはどうすればよいか検討。そこで、これまでの硬直的な働き方から柔軟な働き方に変えることで、一人ひとりに裁量を持って働くことができるアプローチに転換しました。
フレックスタイム制とリモートワークを採り入れ、事前許可があればワーケーション(「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、観光地などで休暇中にテレワークを活用しながら働くこと)も可能としました。大胆に働き方を見直すことで、職員一人ひとりが自律的に働きリーダーシップを発揮することで、活き活きと働けるようになりモチベーションもアップ。残業時間が減り、生産性が向上しました。












行動計画 第5回本文3

積極的な情報公表も女性活躍を推進するカギ


これ以外にも、女性が活躍している職場であることや、副業・兼業などプライベートと仕事の両立支援などSNSやホームページで積極的にアピールし、女性社員の応募者数が倍増した企業などもあります。

女性活躍推進法では、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主に⼀般事業主⾏動計画の策定や情報公表(女性活躍に関する項目2つ以上)の義務が課されていますが、2022年4月より101人以上300人以下の事業主に対しても、⼀般事業主⾏動計画の策定や情報公表(女性活躍に関する項目1つ以上)が義務付けられます。
こうした情報は、おおむね年1回以上更新し、自社のサイトや厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」に公表しましょう。さらに、女性の活躍に資する社内制度を公表することも有効といえます。情報公表を積極的にしている企業は信頼性も高まりますし、それだけ女性が活躍している証とも言えます。
自社の課題を解決し、さらに飛躍するために、女性活躍の推進をぜひ前向きに取り組んでいきましょう。



「えるぼし認定」とは?
「女性活躍推進法」に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度です。採用・雇用が厳しい中小企業において、選ばれる企業になるための有効なツールとして活用できます。












行動計画策定のポイント 解説者プロフィール



執筆者:人事労務コンサルタント・社会保険労務士 佐佐木 由美子氏

2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開業、その後グレース・パートナーズ株式会社を設立し代表に就任。人事労務・社会保険面から経営を支援し、女性の雇用問題に積極的に取り組んでいる。新聞・雑誌等、多方面で活躍。
HP:https://gracepartners.jp/




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※掲載情報は2020年11月現在のものです。

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◆中小企業におけるダイバーシティ推進
◆人材活性化に向けた職場づくり


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