朝は、脳にとって、特別な時間だ。今日一日の脳の活性状態を決めるホルモン=セロトニンの分泌最盛時間だから。 セロトニンは脳神経信号のアクセル役。脳全体に信号がいきわたりやすくする脳内神経伝達物質である。セロトニンが十分に充填されれば、脳は、素早く活性化される。ご機嫌で一日が始められることになる。 全体にうまく機能していれば、脳自身は充足感=「しみじみと満ち足りた気持ち」を得やすくなる。その効果は、昼間の食事に失敗しなければ(これは次号でお話しする)、夜まで続く。 セロトニンが足りている脳は、やる気を失わない脳でもある。機能が滞りにくく、ストレスを感じにくいので、イライラしたり、キレたり、落ち込んだりせずに、やる気をキープできる。 充足感を覚えやすく、やる気が萎えない。幸せな一日をもたらすセロトニン。別名『幸福ホルモン』と呼ばれるゆえんだ。 セロトニンは、日本の緯度だと9時台くらいまでの朝の光刺激によって加速するホルモンで、6時ごろに起きるのが理想的。朝日を浴びなくても、普通に過ごしていれば大丈夫。理由あって朝以外の時間に起きる方は、遮光カーテンなどで暗くして寝て、起き抜けに明るい電灯をつけて眩しい思いをするとある程度セロトニン分泌を促せる。 朝の光は刺激的。なにせ、地球の回転方向=東からさしてくる光だから、光のドップラー効果が効くのである。車で救急車とすれ違うとき、向かってくるときは「ピーポー、ピーポー」と甲高い音なのに、すれ違ったとたんに「へ~ほ~、へ~ほ~」と一気に緊張度が下がる。あれが音のドップラー効果。私たちは常に、時速約1700Kmで東に向かって移動している。そう想像すると、朝日の緊張度の高さが、リアルに迫ってきませんか? その緊張が、私たちの脳のスイッチを一気に入れてくれる。そう腹に落としておいてください。もったいなくて、寝ていられなくなるから(微笑)。 さて、せっかくセロトニンを出したのに(ということは脳のアクセルを踏み込んだのに)、ガス欠だったら、あまりにも残念だと思いませんか? エネルギーの補給も、大事な朝の仕事である。つまり、朝ごはんだ。というわけで、朝ごはんの食べ方、しっかり学んでください。
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■脳が喜ぶ食事
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