テレワーク導入のプロセスとポイント
【テレワーク導入のプロセス】
基本的なプロセスは「①導入検討、②現状把握、③社内ルールづくり、④設備環境の整備、⑤セキュリティー対策、⑥導入・評価」です。この中でも、特にポイントとなるのが「現状把握・社内ルールづくり・セキュリティー対策」の3つです。
●ポイント1:現状把握
テレワーク制度導入の課題としてよく挙がるのが、これまでの働き方にとらわれ「うちではテレワークはできない」と決めつけているケースです。
まずは、社員一人ひとりが担っている業務内容を把握しなおし、業務内容を切り分け、できるところから始めると良いのではないでしょうか。
建築や製造、運輸業など、テレワークが比較的難しいといわれる業種はありますが、一度先入観を捨てて「業務内容の切り分け」をすることで活路を見いだせる可能性があります。まずは、自社の業務を下記の3つに分類してみましょう。
A.すぐにテレワークを導入できる業務
B.設備導入やオペレーションを見直せばテレワーク可能な業務
C.テレワークでは不可能な業務
このうちAとBについて、業務配分やオペレーションの見直し、設備導入もふくめて検討しましょう。一つずつクリアにしていくことで、テレワーク導入が現実的になっていきます。
今後、自動運転や遠隔からの工程管理など、技術の進歩にともないできることは増えてくるでしょう。とはいえ、医療の現場など、すべての業種には適用できないことも事実です。業務のすべてをテレワーク化する必要はないので、できる範囲のことを進めていくことが大切でしょう。
●ポイント2:社内ルールづくり
就業規則を見直し、就業場所が自宅等にできることを明記することが必要になります。他にも、労働時間や通信費の費用負担などを規定します。とはいえ、最初から完璧なルールをつくるのは難しいもの。就業規則に明記しにくい細かな社内ルールなども含め、テレワークの導入後にトライ・アンド・エラーを繰り返しながら改善していけばよいでしょう。
●ポイント3:セキュリティー対策
社外での業務には、情報漏えいなどのリスクがともないます。セキュリティー設備の導入以前に、従業員全員が高いセキュリティー意識を保つ必要があります。
例えば、基本となるのは下記のようなものです。
・テレワークに使用するパソコンは他人と共有しない
・公共の場でノートパソコンの使用や資料の閲覧をしない
・USBメモリなど外部記録媒体を接続しない
・セキュリティソフトをインストールする
これらは最も基本的なことですが、実行を徹底したいものです。
また、近年はホームルーターを狙ったサイバー攻撃が多発しています。自宅からインターネットに接続して業務を行う場合は、ホームルーターの設定を確認しましょう。パスワードが出荷時のままであったり、更新プログラムをインストールしていなかったりする場合は、再設定・更新が必須です。
会社としてウェブ会議アプリやクラウドサービスなどのテレワーク用のツールを新たに導入する場合、セキュリティー性能の高いものを選ぶようにしましょう。