第4回 働き方改革の進め方
価値観や人材の多様化が進み、また労働力不足への対応としても、ダイバーシティ推進の取組を進め、多様な人材が、多様な働き方を通じて活躍できる環境を整備することが求められています。特に働き方という視点では、時間・場所が画一・固定的な働き方から、短時間勤務やテレワークといった時間・場所が柔軟な働き方にシフトすることが必要です。
すでに多くの大企業では働き方改革の取組が進められており、子育て中の女性が短時間勤務により就業継続したり、営業担当者がテレワークを活用して社外から直帰することで残業時間を削減する、といった効果が表れています。一方、中小企業でよく聞くのは、働き方改革を行おうにも大企業のように人材的に余裕がないので取り組むことは難しい、といった話です。ただ、人材的に余力がないからこそ、無駄な仕事や必要性の低い作業などを行っている余裕などないはずです。業務の効率化を図り、本当に必要な仕事に集中できるよう、現在の働き方を見直すことが必要です。
働き方改革を進める際のポイントは、できることから取り組んでいくということです。例えば、多くの企業でかなりの時間が取られている業務の1つに会議があります。会議開催前に目的や議題を決め、開催頻度や会議時間を減らし、参加人数を絞り、資料は開催前に送付して参加者には事前に目を通してもらう、といった事前準備を行うだけでも、会議に取られる時間を減らすことができます。決して難しいことではなく、また部署や業務の特性に関係なく取り組むことができます。まずは労働時間や有給休暇の取得状況など、現在の働き方の実態を把握し、実施可能な取組を検討してみましょう。取組の効果は見える化して社内で共有し、社員の働き方改革の取組への意欲を高め、次の取組に発展していくという好循環を築いていくとよいでしょう。
2018年に働き方改革関連法が成立し、2019年より「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が施行、また2020年4月からは中小企業でも「時間外労働の上限規制」が施行されます。これを機に、できることから働き方改革の取組を進めていきましょう。