Q.中小企業にとって「女性活躍の推進」とは、どのような意味を持つものなのでしょう?
佐佐木 「女性が働きやすい環境づくりに取り組むことは、社員の安心感や満足感を高め、そのことが社員の会社に対するコミットを高めることにつながり、ひいては、生産性の向上、業績の向上につながっていくのだと捉えています。
公益財団法人 地方経済総合研究所「熊本地震に関する熊本県内事業主アンケート(2018年調査)」より。熊本地震の被災後、どういう取り組みを行った企業がいち早く売り上げを回復できたかを分析したところ、『女性が活躍できる職場つくり』や『子育て・介護等と仕事の両立支援』に取り組んだ事業所は、取り組まなかった事業所に比べ、明らかに業績回復のスピードが速いことがわかっています。
その意味で、今回取り上げた㈱ふらここは社員のコミットを高める仕組みが構築されていて、参考になる点が数多くあるといえます。例えば、ビジョンに共感することで自発的な貢献意欲が高まり、生産性も向上するといわれていますが、女性は特にその傾向が強いといえます。㈱ふらここのように、経営理念を浸透させるような研修を設け、今の仕事が社会にどう役立つのか、といったところまで落とし込めると、目の前の仕事へのモチベーションアップにもつながります。
あるいは、㈱ふらここのように、能力開発のための研修を積極的に取り入れることも効果的です。様々なスキルを高めることは、本人のキャリアアップにもつながりますし、会社の業績向上へとつながります。
『女性活躍の推進にどう取り組めば良いのかわからない』という声をよく聞きますが、女性活躍で結果を出している企業の事例は数多くあります。経済産業省の『新・ダイバーシティ経営企業100選』をはじめ、たくさんの事例集が出ていますから、まずはそうした事例を勉強し、自社で採り入れられることは何かを探してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
ある中小企業の経営者の方がおっしゃっていました、『やってみれば、案外できるものです』」
女性社員が働きやすい環境づくりを進め、高い業績を維持する㈱ふらここ。今後もその取組みは続いていきます。