アイデアの提案があったらどう答えればよい?
<シーン>
部下の女性が作業手順の変更を提案してきました。「いまさら変えられないよ」と答えたら、とてもがっかりした様子。
以来モチベーションも低下して、仕事の能率も落ちているようです。どうしてそんなに落ち込むの?
<黒川先生からのアドバイス>
プロセスを評価し「いいね」で受け止めてみる
共感型と問題解決型では、「提案」に対するセンスが違います。共感型にとって提案とは、相手へのギフト。多くの場合、上司や同僚、会社への好意として改善点を考え出し、プレゼントしているのです。
一方、問題解決型にとって提案とは、自分の意向を提示し、相手のYes/Noを確認する行為。当然、提案に対してはYes/Noを即答しなくては、と考えます。そのため、いきなり否定したり、よい提案であっても欠点の指摘から始めてしまいがちです。共感型は、提案を受け入れられなかったというより、好意を否定されたと感じて傷ついてしまいます。
好意には、まず感謝するのが礼儀だと考えてみましょう。提案内容の可否にかかわらず、まず「いいね」で受けてみてください。問題解決型にとって、「いいね」は成果に与える評価なので、成果を認めないのに口にするのは抵抗があるかもしれません。しかし、「いいね」は成果だけでなく、「プロセス」に与えてもいいのです。内容に賛成できないとしても、「いいところに気付いてくれたね」「いい発想だね」とプロセスを評価し、感謝を表してみてください。そのうえでなら「残念ながら、今回は変えられない」と否定しても大丈夫。気持ちは受け止めて、事実は事実として処理をすればいいのです。