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第1回 渕上玲子さん(LESSON2)

教えて先輩!


教えて先輩!ワタシらしい“はたらく×らいふ”


「自分らしく働くって?」「キャリアは軌道修正できるの?」
はたらく女性たちが抱いているリアルな悩みや不安へのアドバイスを“はたらく×らいふ”
プロジェクトメンバーが各界の先輩にインタビュー!
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第1回 渕上玲子さん


今回は、男女比8対2 の弁護士の世界で活躍され、女性初の東京弁護士会会長を務めた、 渕上玲子さんに、どのようにキャリアを築いてきたのかをお伺いしました。
※記載されている情報は2019年8月時点のものです。



渕上玲子さんプロフィール写真

【プロフィール】渕上玲子

1977年一橋大学法学部卒業。総務省電気通信事業紛争処理委員会 委員等を歴任。2017年女性初の東京弁護士会会長及び日本弁護士 連合会副会長を務めた。東京弁護士会では、男女共同参画の見地から、 一時保育サービスの実現やセクハラ相談窓口の充実などの施策を行った。 何事にも誠実に取り組むことをモットーに、依頼者の方々のさまざまな ニーズに応えている。






第1回 渕上玲子さん(LESSON1)

LESSON2.女性活躍推進のために、自分のキャリアアップも有効!


~「自分がやらなければならない」覚悟 ~


Q.前回のコラムでは、「キャリアを築く、そのスタートラインですべきこと」についてお伺いしまし た。弁護士になっても“将来のキャリアが見えない“とおっしゃっていましたが、その後、渕上さんは、 どのようにキャリアのステップアップを実践されてきたのでしょうか?

A.独立当時は、企業よりも個人の事件を担当することが多かったのですが、独立前から、弁護士会 での仕事も行っていました。独立してからは本格的に“東京弁護士会の法律相談センター運営委員会を 活性化させることを自分の主軸にしよう”と決めて、それに関する仕事に携わってきました。一般の方 の “弁護士に相談するのは敷居が高い”というイメージを払拭したかったのです。 その思いが法律相談センターの活動から派生して、阪神淡路大震災・新潟県中越地震・東日本大震災 等の被災者の方々に対する法律相談活動や、誰でもどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報や サービスの提供を受けられるようにすることを目的として設立された日本司法支援センター (通称:法テラス)に対する日弁連の活動に発展させていくことができました。
例えば、法テラスは、お金がない人のために民事事件の弁護士費用を立て替えることもできるのですが、 これは誰もが持っている「裁判を受ける権利」を実質的に保障する制度です。 制度の整備等に関与することで、自分の思いを少しでも形にできたのかなと感じています。 初めからこのようなキャリアをプランニングしていた訳ではありませんでしたが、自分が決めたことを 信じて一所懸命やり続けることで自然に活動の幅が広がったように感じますね。




≪渕上さんの自分史≫
幼少期   裁判官にあこがれ、”司法試験を受ける”という目標をもつ 
 20代  大学卒業後3年勉強して、司法試験に合格
 30代  法律事務所に所属しながら働き、独立
 40代  現事務所設立
 50代  弁護士会副会長等弁護士会の役職に就く
 60代  弁護士会会長






Q.自分のキャリアは、“自分で考えて自分で決めること、決めたら信じてやり続けること”が重要なの ですね。渕上さんは、女性として初の東京弁護士会の会長という華々しい経歴をお持ちでいらっしゃ いますが、ご自身の中ではどのような思いがあったのでしょうか?

A.女性の活躍については、日本最大の東京弁護士会 でも、会の運営に対する男女共同参画が なかなか進んでいない状況でした。そろそろ初の女性東弁会長をという声が出ていた中で、たまたま 年齢や経験が相応する私が選ばれることになったと思います。本音をいえば、”女性初”というのは あまり好きじゃないのです。2番目くらいがちょうどいいなと思っていたのですが…(笑)



Q.ためらわずに前に出る勇気も大切ですね。
A.今思うと大変な仕事だったと思います。自分のためだけだと、もしかしたら頑張れなかったかも しれませんね。“応援してくれる人たち、あるいは後に続く女性のため”という気持ちが、自分を奮い 立たせるパワーの源だったという気がします。


Q.弁護士の女性活躍・働き方改革についてどう考えていらっしゃいますか?
A.個人的には、弁護士の男女比率が8対2というのはどうにかしたいなと思っています。弁護士 制度の違いもありますが、フランスでは、女性弁護士の方が多いくらいです。女性が弁護士として 活躍するためには法律事務所内での改革が必要です。東京弁護士会男女共同参画推進本部では弁護士 の働き方改革を進めています。キャリアアップに不可欠な弁護士研修に子育てで参加できない女性 弁護士が多いことから、東京弁護士会の中での一時保育を制度化しました。さらに本部ではワーク ライフバランスガイドラインや法律事務所の働き方改革ヒント集等のリーフレットを作成して会員に 呼びかけています。今後も業務改善のお手伝いができればと思っています。





~どんな仕事でも変わらない 自分を信じて前へ~


渕上玲子さんからメッセージ 自分を信じてお進みください

Q.後輩たちへ、一言応援メッセージをお願いいたします。

A.「自分を信じてお進みください」
弁護士という職業が特別に大変なのではなく、どんな仕事でも苦労が多いと思います。その中で、 いつもポジティブに考えることが大事なのではないかと思います。私自身、そのように考え、 ここまで進んできたような気がします。もちろん落ち込むことは多々あると思いますが、必ず道は 拓けるから、自分を信じて前向きにチャレンジして欲しいですね。また、「健康第一!」これも大事 だと思いますね。






教えて先輩!ワタシらしい”はたらく×らいふ”イメージイラスト

#LESSONメモ 渕上さん流 ワタシらしい”はたらく×らいふ”

・キャリアアップには「自分のキャリアを見据えて経験を積む」ことが必要
・「自分のため」ではなく「後に続く人のため」という気持ちがパワーの源になることもある
・いつもポジティブに、自分を信じて前向きにチャレンジすることが大切




第1回 渕上玲子さん
LESSON1. キャリアを築く、そのスタートラインですべきこととは?

教えて先輩目次






教えて先輩!ワタシらしい”はたらく×らいふ”

第2回 中西由季さん
2016年に「女性活躍推進法」が施行されて以降、特に女性は働き方について考える機会が増え、″自分らしく働く”ことに対して悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は「伝統的工芸品 豊橋筆」の職人になるという夢をかなえた中西さんに、女性が少ない職場でも"自分らしく働く”ためのポイントをお伺いしました。(2020年8月)
LESSON1. 好きなことを仕事にする苦労とやりがい
LESSON2.女性が少ない職場はチャンスがいっぱい!


第1回 渕上玲子さん
男女比8対2の弁護士の世界で活躍され、女性初の東京弁護士会会長を務めた、渕上玲子さんに、どのようにキャリアを築いてきたのかをお伺いしました。(2019年8月)
LESSON1. キャリアを築く、そのスタートラインですべきこととは?
LESSON2.女性活躍推進のために、自分のキャリアアップも有効!