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【WEBサイト特別記事】「ジェンダー平等を実現しよう」への取組み事例

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中小企業のSDGs取組み事例 「ジェンダーの平等」

CASE1 岩手県初の「アライ宣言」企業に ~「ジュークアンリミテッド株式会社(岩手県盛岡市)」~


  

ジュークアンリミテッド株式会社(岩手県盛岡市)
業種・事業内容/人材採用支援業務、情報提供サービス、建設業コンサルティング、広告の企画・制作
従業員数/10名
取組みの背景とプロセス
社屋のリフォームや工場建設など中小企業のデザイン戦略を手がける同社。同社がLGBTQ+(※1)のサポートに取り組むようになったきっかけは、2019年に入社した加藤麻衣氏がレズビアンであることをカミングアウトし、LGBTQ+が暮らしやすい社会を実現したいという思いをスタッフに伝えたことでした。
6月は世界各地でLGBTQ+の権利を啓発するイベントが行われる「プライド月間」であり、会社のロゴをレインボーカラーにするなどの活動が大企業を中心に行われますが、同社ではさらにLGBTQ+の理解を広げることを目指したいと考え、活動内容を模索。加藤氏は同社でグラフィックデザイナーとして働きながら2019年盛岡市議に立候補しました。「パートナーシップ制度(※2)」導入などの目標を掲げ、最年少の25歳で当選。会社やスタッフも加藤氏の活動を支援しています

※1 LGBTQ+/レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、性的指向がわからない人など性的少数者を表す言葉。 

※2 パートナーシップ制度/同性カップルを婚姻に相当する関係と公認する制度。自治体がパートナーシップ証明書を発行することで、異性間の婚姻と同様な行政・民間サービスや社会的配慮を受けやすくする。





オフィスには同社の「スーパーアライ宣言」が掲げられている。

具体的な活動と成果
同社は2020年6月のプライド月間に「スーパーアライ(※3) 宣言」を行い、岩手県初のアライ宣言企業になりました。スタッフの年齢層が20〜60代と幅広く、女性が社長を務め、外国人、レズビアン、ワーキングマザーなど多様性のある職場環境である同社ではアライの考え方は特別なものではありませんでしたが、一般の中小企業ではLGBTQ+への理解もアライの考え方もまだあまり広まっていません。そこでアライに賛同する中小企業が増えていくことを目指し、宣言を行いました。 スタッフのLGBTQ+への理解をさらに深めるため、加藤氏による社内講義を開催。加藤氏は高校などでもLGBTQ+やアライについての授業を行っています。今後は社外でアライを広める活動も検討。アライ宣言はスタッフにとって誇りであるのと同時に、同社にとっては先進的な中小企業として注目されるきっかけともなりました。

※3 アライ/同盟、支援を意味する英語Allyが語源。LGBTQ+の当事者ではないがLGBTQ+の人たちの活動を理解し、支援する人。大企業を中心にアライであることを表明する「アライ宣言」をする会社が増えている中、ジュークアンリミテッドはもともとアライを実践してきたという意味を込めて「スーパーアライ宣言」をした。




多様なバックグラウンドのスタッフたち。



 デザイナーとして同社で働きながら、盛岡市議も務める加藤麻衣氏。市議会へは「自由の女神」をイメージした服装で出席し、LGBTQ+の権利を求めて活動中。



村尾氏からのアドバイス
中小企業でアライ宣言をしている同社は日本の中でも先端をいく存在です。その原動力となったのは加藤麻衣氏の存在でしょう。LGBTQ+をサポートする活動は社員に当事者がいて、その人が働きやすい環境にしていこうというほかの社員たちの思いが加わると本物になります。2019年のアンケート結果でLGBTに該当する人は10人に1人というデータ(※4)もあり、表明する人は少なくても、社内にいるものだと考えるべきでしょう。これからはLGBTQ+の人が働きやすい、生きやすい環境をつくっていくことが求められているのです。

※4出典元:LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」

村尾氏が提言する
アライ企業になるための「ア」「ラ」「イ」の原則


LGBTQ+の人も働きやすい会社にしていきたいが、具体的に何をすればいいかわからないという相談を受けることが増えてきました。そんな時には次のような「ア」「ラ」「イ」の原則を会社全体で実行してほしいと助言しています。

 ア:「アウティングをしない」を全社員に
  誰かの性的指向・性別への認識を聞いても、他の人に話さないのが大原則。
  しかし実際には多くの人が話してしまい、LGBTQ+の人が出社できなくなるなどの深刻な問題を引き起こします。

 ラ:「…らしく」「…らしさ」を求めない
  例えば、女性だからという理由で「お茶を出して」といってはいけません。
  若い世代から見れば、「らしさ」を求める会社は古臭く思われ、いずれはお客さま、取引会社、求職者から敬遠されてしまうでしょう。

 イ:一切の差別なくいろいろな人を採用
  障がい者、外国人、難民も含めて多様な人を採用することが会社の発展につながります。





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