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4 睡眠の質と明日のパフォーマンスにつながる夕食メニュー①

黒川氏・佐藤氏 ミニプロフ
黒川伊保子氏の写真 黒川伊保子氏 人工知能研究者  智春氏 バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー ※「藤」の字は旧字。
コラム本文


■脳科学の立場から ~脳は眠っている間に進化する(黒川 伊保子氏)

頭は眠っている間によくなっている。
起きている間、脳は何かと忙しい。常に周囲を認知しているし(人が近づいてきた気配にさえ気づく)、思考を途切れさせることも難しい(座禅で無我の境地になれって言われたって雑念が消えないでしょう?)。認知と思考の無限ループ、それが覚醒しているときの脳のミッションだから。このため、脳には、脳神経回路を書き換えている暇はない。
脳の持ち主が眠れば、脳にはやっと暇ができ、脳神経回路を書き換える「真の学習」が可能になる。「覚える」のみならず、もっと高度な知恵やセンスに昇華させてもいるのである。
厳密には、覚醒していても、無我の境地にいるとき(ぼうっとしていたら急にアイデアが浮かぶようなとき。疲れてぼうっとしているのではなくて)には、脳神経回路の書き換えが起こっていたりもするのだが、これはいくつかの条件がとり揃ったときに、たまさか起こる偶発的なイベント。「バッハのシャコンヌを聞くと、必ず無我の境地になれる」という数学者もいるが、たいていは、自分で制御できる話じゃない。
けれど、いい眠りをすれば、誰の脳でも進化は起こる。また、新陳代謝も、眠っている間に加速する
というわけで、私は午後の後半を〝いい眠り〟のために過ごす。眠っている間に脳と身体が必要とする栄養を確保するために、夕食を取る。眠りを促すために風呂に入る。日没後、トイレは足元の人感センサーランプのみ。網膜(目)を無駄に刺激するので、天井の電灯は点けない。網膜に光刺激があると、睡眠を誘発するホルモン・メラトニンの分泌を妨げるから。
そうそう、朝起きる時間も、いい眠りのために決めている。朝日の刺激でセロトニンの分泌が加速し始めた時刻から約15時間後、セロトニンがメラトニンに変化し始めるからだ。つまり、6時に朝日を目撃すれば、21時には自然に脳神経信号が沈静化し始めるということになる。
長く眠れればいい眠りと言うわけじゃない。大事なのは
時間対効果(タイムパフォーマンス)。私はショートスリーパーなので、眠りの質をことさら大事にしているのである。ダイエットのために、オイル抜きの野菜だけ? それじゃ、新陳代謝がいまいちなので逆効果だし、脳が進化しないので、あまりにも残念。どうか、夕食、賢く食べて。

夕飯の支度をしながら良い睡眠の想像をするイラスト


















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黒川講師プロフィール
黒川伊保子氏の写真黒川伊保子(くろかわ・いほこ)氏
人工知能研究者

人工知能研究者。1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部卒業後、コンピュータ・メ ーカーにてAI開発に従事。
コンサルタント会社、民間研究所を経て、(株)感性リサーチを設立。人材開発・社員研修として男女脳差理解による
ダイバーシティ・コミュニケーション講座などを多数実施。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)などの著書がある。
HP:http://ihoko.com/
 

佐藤講師プロフィール
佐藤智春氏の写真
佐藤智春(さとう・ちはる)氏 ※「藤」の字は旧字。
バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー

分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。1991年、(株)クオリティーライフを設立。
著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)などがある。
HP:https://chiharu-sato.com/ Youtube:https://www.youtube.com/@vitalanalyst_chiharu/videos
 

目次
【目次】

■脳が喜ぶ食事

1 ヘルスブレインでいるための 生活と食事
2 スタートダッシュを決める 最高の朝食
3 外食でも諦めないで お手軽脳育ランチ
4 睡眠の質と明日のパフォーマンスにつながる夕食メニュー
5 本当にやる気が出るのは? 甘いおやつと脳の関係


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