午後の会議の集中力、保てていますか?
朝、私たちの脳では、セロトニンの分泌が加速する。セロトニンは、脳神経信号を起こりやすくし、かつスピードを上げてくれるホルモンである。いわば、脳のアクセル役。このため午前中は、比較的、脳の性能がいい人が多い。 ところが、午後になると、脳が失速してしまう人が出てくる。お昼を食べてから1時間半を過ぎたあたりから、だるくなって集中力を失う。それを我慢しているうちに、イライラしてキレそうになる。実はそれ、お昼の食べ方に問題がある可能性大。午後2時からの会議がつらいという方、ぜひ、お昼の食べ方を見直してみてほしい。 食後だるくなるのは、たいていは急激な血糖値の低下のせい。その原因は、意外にも糖質の食事なのである。うどん、パスタ、丼もの、パン―――たんぱく質の少ない炭水化物主体のランチは、食べやすくて、働き者にはありがたい。でもね、血糖値の乱高下を招きやすいのである。 空腹にいきなり糖質を摂取すると、血糖値が急上昇する。すると、脳は危険を感じて、膵臓に血糖値を下げるホルモン・インスリンの分泌命令を出す。このとき、急上昇中の血糖値を警戒するあまり、過剰な分泌命令になることが多いのだ。このため、血糖値が下げ止まらず、低血糖という事態を招くことになるわけ。 血糖値は脳神経信号のエネルギー源である。最低でも80はないと脳が正常に機能しない。このため、通常、空腹時でも80はキープされるようになっているのだが、急上昇の後の急降下では60を下回ることもある。当然、脳神経信号が減衰し、集中力は途切れ、だるくてしかたなくなるわけ。 とはいえ、そのまま放置されるわけじゃない。血糖値が40を切れば意識混濁、命が危ない。そこで、血糖値が下げ止まらないと、今度は血糖値を上げるホルモンが連打される。その代表格であるアドレナリンは、死に物狂いで闘うための〝気付け薬〟なので、闘争的になるという副作用がある。 午後の会議で、だるそうにしていたと思ったら、急にキレる上司がいたら、お昼の食べ方、きっと間違ってるはず。チームのお昼ご飯、大事にしよう。
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■脳が喜ぶ食事
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