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5 本当にやる気が出るのは? 甘いおやつと脳の関係①

タイトル①

本当にやる気が出るのは? 甘いおやつと脳の関係

黒川氏・佐藤氏 ミニプロフ
黒川伊保子氏の写真 黒川伊保子氏 人工知能研究者  智春氏 バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー ※「藤」の字は旧字。
コラム本文


■脳科学の立場から~脳を制御するために食べる(黒川 伊保子氏)

脳は栄養で動いている。だから、脳をきちんと動かすために食べる———私は、脳の機能分析をする専門家として、徹底して、そう考えている。そういう意味で、最も危ないのは、低血糖だ。

脳神経信号は電気なのでエネルギーが要る。そのエネルギーは血糖だ。低血糖だと、脳神経信号がうまく発信できず、脳は正常に動けない。だるくてぼうっとしたかと思うと、イライラしてキレる。好奇心も働かず、集中力も続かない。勘も働かず、ユーモアも思いやりもない人になってしまう。「仕事ができないくせに、いばりちらして、思いやりもない」……それって、性格が悪いわけじゃなく、血糖値が乱高下してるだけかも。怖ろしいでしょう?

その低血糖を誘発するのが「糖質過多の食事をすること」という話は昼食編でさせていただいた。そうでなくても、食事と食事の間が長時間に及べば、当然、低血糖傾向になる。食事から摂った糖が底をつくからだ。そして、低血糖気味で食事を摂ると、脳が飢えているので、つい糖質に偏ったドカ食いになりやすいのも大問題。特に、昼食と夕食の間が空くと、遅く重めの夕飯が仇になって、睡眠の質を下げてしまう。

自分が、昼食後どれくらい空くと、タスク効率が下がったり、イライラしたりするかを、ある程度把握しておくといい。そして、そうなる前に、ちょこっと食べるのがおススメ。

パンやうどんで済ませてしまうと、けっこう早くタイムリミットがやってくる。また、「苦手な人と一緒にいるとき」とか「嫌な仕事をしているとき」にも、脳は早目に失速する。無意識のうちに、脳は何度も「嫌だ」「つらい」と感じるから。そのストレスも、糖をエネルギーにしている脳神経信号だからね。というわけで、嫌な上司と一日いれば、チョコでも食べなきゃやってられなくなるわけ。そう、「脳神経信号の無駄使い」からくる「間食にいきなりスイーツ」がストレス太りの原因でもある。

そんなふうに時と場合によって脳のタイムリミットは違うけど、「脳が失速する前に賢くちょっと食べる」、そんな知恵を持っておくと、血糖値はうまく保たれる(当然、血糖値を安定させるための間食メニューも重要だけど、それは佐藤先生にお任せしよう)。

脳という装置を、いかに効率よく合理的に動かすか。人生なんて、それに尽きる。カロリーだけの栄養管理や、「身体にいいから食べる、悪いから食べない」なんていう行き当たりばったりの食事では、残念ながら脳は制御できないのである。


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黒川講師プロフィール
黒川伊保子氏の写真黒川伊保子(くろかわ・いほこ)氏
人工知能研究者

人工知能研究者。1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部卒業後、コンピュータ・メ ーカーにてAI開発に従事。
コンサルタント会社、民間研究所を経て、(株)感性リサーチを設立。人材開発・社員研修として男女脳差理解による
ダイバーシティ・コミュニケーション講座などを多数実施。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)などの著書がある。
HP:http://ihoko.com/
 

佐藤講師プロフィール
佐藤智春氏の写真
佐藤智春(さとう・ちはる)氏 ※「藤」の字は旧字。
バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー

分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。1991年、(株)クオリティーライフを設立。
著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)などがある。
HP:https://chiharu-sato.com/ Youtube:https://www.youtube.com/@vitalanalyst_chiharu/videos
 

目次
【目次】

■脳が喜ぶ食事

1 ヘルスブレインでいるための 生活と食事
2 スタートダッシュを決める 最高の朝食
3 外食でも諦めないで お手軽脳育ランチ
4 睡眠の質と明日のパフォーマンスにつながる夕食メニュー
5 本当にやる気が出るのは? 甘いおやつと脳の関係


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