ページタイトル

2 スタートダッシュを決める 最高の朝食③

タイトル①

スタートダッシュを決める 最高の朝食

黒川氏・佐藤氏 ミニプロフ
黒川伊保子氏の写真 黒川伊保子氏 人工知能研究者  智春氏 バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー ※「藤」の字は旧字。
コラム本文


■理想的な朝食メニュー
(佐藤 智春氏)※「藤」の字は旧字。

①昔ながらの朝食が最強!!

しらす卵かけご飯の写真朝食には、たんぱく質と糖質を同時に摂取することが理想的。そして、糖質は食物繊維を含む炭水化物として、パンよりご飯の方が日本人の腸内環境にはベストである。なぜなら、パンの原料である小麦粉のグルテンは腸で炎症を起こしやすく、出勤時の移動中や会議など、ストレスのある時には避けたい食材だからだ。
とはいうものの、白いご飯は血糖値が急激に上がりやすい。急激に血糖値が上がった後、食後低血糖症状になると、日中のパフォーマンスが下がってしまう。そこで、ご飯を食べる時の強い味方が、卵かけご飯である。卵の卵黄には、コレステロールという脳の材料であるコレステロールが豊富で、ご飯の一粒一粒を脂質であるコレストロールがコーテイングすることで、血糖値の乱高下を抑制する効果が期待できる

さらに、その卵黄には、レシチンという脳神経伝達の材料も含まれ、まさに、脳が喜ぶメニューとしてもってこいなのだ。アレンジに動物性タンパク質であるしらすや鰹節をトッピングしたTKG(卵かけご飯)は、日中のセロトニンを作る代表的材料のトリプトファンをプラスできる。クエン酸の多い梅干植物性たんぱく質が同時に摂れる納豆なども大いにトッピングしたい。
そんな魅力いっぱいの卵かけご飯で幸せホルモンを作り、同時に、身体を温め基礎代謝を上げるお味噌汁を取り入れてほしい。ここからはおすすめのお味噌汁を紹介しよう。

豆腐と揚げのお味噌汁の写真豆腐と揚げ
戦後、大豆文化から小麦粉へ食生活が変わり、大豆は意識的に食べないと口にしない日も多い。お味噌は大豆由来の発酵食品。大豆胚芽からは天然の女性ホルモンと言われる植物性エストロゲンが見つかっており、40歳からのプチ更年期対策、お肌の調子や子宮の健康状態、骨密度低下の予防、女性・男性の薄毛対策、エイジングケアなど幅広い効果が期待でき、見直されているのが大豆製品。毎日、1食は取り入れたい食材。(★遺伝子組み換えではない物を選んで欲しい)

アサリのお味噌汁の写真アサリ
アサリの栄養は鉄や亜鉛などのミネラルのバランスが良く、女性の冷えの根本原因である貧血対策には抜群の栄養が含まれている。また、とくにビタミンB12の多さはピカイチで、このビタミンは赤血球を作るため、貧血対策に欠かせない栄養素である。さらに、お酒が好きな人にはアルコールで失うビタミンB12を補えるメニューとして最高のお味噌汁の具。年末や冬の冷え性にはぜひ取り入れたい食材である。


キャベツのお味噌汁の写真大根・キャベツ
胃の調子の悪い時やストレスで消化がいまいちの時に選びたい具材だ。大根をおろして生で入れると、ジアスターゼ(消化酵素)で食事の消化を促す。キャベツにはキャベジンという胃の粘膜を保護するビタミンU(アミノ酸の一種)の成分が含まれている。繊維が多く腸内細菌の餌にもなる為、胃腸の調子を整えるにはGOODな食材だ。キャベジンは生で食べるのベストだが、水溶性のため、スープに溶け込んだキャベジンをいただけるお味噌汁はメニューとして最高である。

他にも、皮膚や粘膜の材料となるカロテン・ビタミンAが多く含まれるあおさの味噌汁や、疲労回復に役立つビタミンB1(豚肉に含まれる)とアリシン(ネギに含まれる)を同時にとれる豚汁などもおすすめだ。

さて、ここまで卵かけご飯と味噌汁の組み合わせメニューを紹介してきたが、朝、お味噌汁を用意する時間がないときには、手軽にたんぱく質がとれる「プロテイン・エッグシェイク」をぜひ試してみてほしい。


②忙しい朝にオススメ!プロテイン・エッグシェイクのレシピ

スムージーの写真
【材料】
・冷凍ブルーベリー 1/3カップ
・冷凍オレンジ 2/3カップ
・プロテイン 10g
・生卵 1個
・レモン汁 お好みで
・水 果物にかぶるくらい

【作り方】
ミキサーに冷凍の果物を加え、果物にかぶるくらいの水を入れます。
プロテイン、生卵・レモン汁も一緒に加えて、ミキサーにかけて出来上がり。
※水分の少ない果物の場合は、水を足して調整してください。

【ポイント】
オレンジ等の柑橘系やベリー系などのGI値※が低く血糖値スパイク(食後の血糖値が急上昇・急降下を起こす状態)を起こさない果物で作ってください。(果物のGI値の参考
・プロテインは糖質・果糖・人口甘味料のない物を選んでください。

【アレンジ】
・旬の果物でアレンジを楽しんでください。
・水分の多いフルーツ(例えばグレープフルーツ等)は水がなくても作れます。最初は水を加えずミキサーにかけ、最後に水の量を加減してください。
・ぶどうやりんご等は水で良く洗い、皮ごとミキサーにかけることで食物繊維を補給することができます。
・プロテインを採るには、エッグシェイク以外にも、プレーンヨーグルトにソイまたはホエイプロテインを加えて混ぜ、ブルーベリーを散らして食べても美味しく召し上がれます。


※GI値とは、食品に含まれる糖質の度合いを示す。GI値の低い食品ほど、食後、血中のブドウ糖濃度がおだやかに上昇する。
糖尿病などを防ぐためには、食後、急激に血糖値が上がらないような食事を心がけることが大切である。
オーストラリアのシドニー大学では、GI値が70以上の食品を高GI食品、55以下を低GI食品、その中間を中GI食品と定義している(グルコースを100とした場合)。
(参考:血糖値とGIの関係性 URL:https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/glucose-level/)



  <<<Page2 ■たんぱく質でスイッチオン! 朝食編 へ             >>>第3回 ランチ編へ 
黒川講師プロフィール
黒川伊保子氏の写真黒川伊保子(くろかわ・いほこ)氏
人工知能研究者

人工知能研究者。1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部卒業後、コンピュータ・メ ーカーにてAI開発に従事。
コンサルタント会社、民間研究所を経て、(株)感性リサーチを設立。人材開発・社員研修として男女脳差理解による
ダイバーシティ・コミュニケーション講座などを多数実施。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)などの著書がある。
HP:http://ihoko.com/
 

佐藤講師プロフィール
佐藤智春氏の写真
佐藤智春(さとう・ちはる)氏 ※「藤」の字は旧字。
バイタルアナリスト・血液栄養アドバイザー

分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。1991年、(株)クオリティーライフを設立。
著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『その不調、栄養不足が原因です』(主婦の友社)などがある。
HP:https://chiharu-sato.com/ Youtube:https://www.youtube.com/@vitalanalyst_chiharu/videos
 

目次
【目次】

■脳が喜ぶ食事

1 ヘルスブレインでいるための 生活と食事
2 スタートダッシュを決める 最高の朝食
3 外食でも諦めないで お手軽脳育ランチ
4 睡眠の質と明日のパフォーマンスにつながる夕食メニュー
5 本当にやる気が出るのは? 甘いおやつと脳の関係


■サイト内関連ページ

なぜ、あなたの言葉は部下に伝わらないのか ~2つの脳が組織を強くする~




中小企業経営者・従業者向けコラム
今回は、『妻のトリセツ』などの著書で知られる黒川伊保子氏に、人工知能研究の視点から組織を強くするためのコミュニケーションのヒントについて伺いました。 

なぜ、あなたの言葉は部下に伝わらないのか ~2つの脳が組織を強くする~

あなたはどちらの脳のタイプ?自分の脳タイプを診断してみよう!


「勘が働く」「疲れにくい」イケてる脳になる! 経営者のための脳のトリセツ




中小企業経営者・従業者向けコラム
できるだけ疲れを感じずに、前向きな気持ちでよい判断をしたい-
そのためのヒントは脳の機能を理解することにあるかもしれません。
今回は『妻のトリセツ』などの著書で知られる人工知能研究者の黒川伊保子氏に、
働く人のための脳の取り扱い(トリセツ)について伺いました。

経営者のための脳のトリセツ